新鮮ないかを買ってきて、刺身で食べようとしたらなにか変なものが!
いかの寄生虫の代表的なものはニベリニアとアニサキスです。
知らないと怖いですが知識があれば安全にお刺身を楽しめます。
寄生虫の危険度や見分け方・取り方について調べてみました。
アニサキスの特徴と寄生しているイカと魚介類、食中毒の症状は?
アニサキスの特徴
色は半透明白色で、
体長は2ー3センチメートル位で渦巻き状になっていることが多く
半透明粘膜の袋(シスト)に入っているものもあります。
魚やイカに寄生しているアニサキスは幼虫です。
寄生場所は主に内臓表面ですが、筋肉にも寄生します。
ヒトへの影響
食べたとしても通常は排泄されますが、
まれにヒトの胃や腸壁に侵入し、多くが8時間以内に、主に激しい腹痛を生じます。
吐き気、おう吐、ジンマシンなどの症状を伴う場合もあります。
食後数時間後から十数時間後に発症した場合は急性胃アニサキス症とされ、内視鏡による除去。食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状がでた場合は急性腸アニサキス症の可能性が高く、そうなると内視鏡が使えず、開腹手術による除去となるようです。
正露丸があればアニサキスを殺して内視鏡での除去は不要に
昔は急性胃アニサキス症の特効薬はないと言われていましたが、正露丸がアニサキスを殺すことが科学的に証明されました。
ただ、正露丸の効果は昔から言われていて、カツオの遠洋漁業の船員さんたちは航海に正露丸を持参して、新鮮なカツオを腹一杯食べていたようです。
正露丸の効果を証明した動画と論文の要約はこちらです。
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正露丸発売元の大幸薬品は2014年に特許を取得しています。→「アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤としての活用に関する特許」
アニサキスが寄生しているイカやその他サバやサケなどの魚介類は?
イカの種類は
するめいか(まいか)、やりいか、あおりいか、もんごういかなどいろいろありますが、
するめいか(下図)にダントツに寄生虫が多く、他のいかではあまりいないといわれています。
東京都の魚種別アニサキス寄生状況についての調査(下記の数字の出典先)でも他のイカには見つかっていません。
魚種別アニサキス検出状況(平成24/4-29/3)
魚種名 | 検査魚体数 | 検出魚体数 |
スルメイカ | 30 | 2 |
コウイカ | 15 | 0 |
ヤリイカ | 15 | 0 |
アオリイカ | 10 | 0 |
ケンサキイカ | 10 | 0 |
サバ、サケ、ニシン、イワシ、サンマなどのほか、ホッケ、サワラ・サゴシ、キンメダイ、メジマグロ、アイナメ等、幅広い魚種にも寄生していることが分かっています。
ただ、養殖魚には、アニサキスの寄生がほとんど認められていません。
海域としては、日本海側よりも太平洋側で採取された魚に多く見つかっています。
出典:魚種別アニサキス寄生状況調査
アニサキスによる食中毒例
アニサキスがいる場所
潜伏している場所は内臓と胴体の内側(内臓があるほう)です。
内側をよく観察してみて、白や茶色で少し濁ったところがあればそこに寄生虫が潜伏しています。
次の動画で説明されていますが、糸くずのようなものがアニサキスです。
アニサキスの予防・除去方法
目視および手動での方法
目視で発見できれば、骨抜き等を使って除去します。
裏側から光を当てるとよりはっきりします。
処理が終わったら、胴体に細かく切れ目を入れます。
この作業はいかの旨みを引き出すためでもありますが、
取り残したアニサキスに刃をあてて殺す効果もあります。
熱処理あるいは冷凍での方法
・加熱(70℃以上、または60℃なら1分以上)で中心まで加熱します。
・冷凍(-20℃で24時間以上)で中心まで冷凍します。
家庭用の冷凍庫は-18℃以下なので家庭の場合は48時間以上となります。
一般的な料理での食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびでは、アニサキスは死滅しません。
シメサバを作る場合も、塩じめ工程で中心部まで凍結することで予防できます。
東京都の調査では、
常温で魚介類を放置すると、アニサキスが内臓から筋肉部へ移行しやすくなることが分かりました。したがって、魚を生食する際にはより新鮮なものを選び、早期に内臓を除去し、低温(4℃以下)で保存することが重要です。
ニベリニアの特徴と人への影響は
アニサキスの他に、イカで良く見かける寄生虫はニベリニア(ニベリン条虫)です。
スーパーなどで売っているイカに付いていることもありますが、仕方ないのでクレームを付けることはやめましょう。
ニベリニアの特徴
色は乳白色で大きさは楕円形に近い5ミリメートル程度です。
寄生場所は筋肉、体腔に寄生します。
形態の特徴としては頭部にやや長めの4本の吻(筒状で出し入れ可能な固着器官)があります。
ヒトへの影響
ヒトには寄生しませんし食べても無害です。
スルメイカ以外では生タラコ(タラの内臓)などに寄生しています。
ニベリニアを実験的に数十匹飲み込んだ勇気のある人もいますが、特に問題なかったそうです。ただ舌や食道に吸着したらしいものもあったそうですが、すぐに違和感は無くなって消化されたようです。
ニベリニアがいる場所
イカの場合は表皮にも寄生してます。
ニベリニアの予防・除去方法
目視および手動での方法
人体には無害ですが、できれば食べたくはないですよね。
白い小さな米粒のようなものがイカの表面についていたら、それが恐らくニベリニアです。
皮の内側に潜っている場合でも、小さなこぶ状の下に潜伏しています。
見つけた場合は骨抜きなどで取り除きます。
熱処理あるいは冷凍での方法
アニサキスと同じで加熱・冷凍すれば死滅します。
まとめ
イカや魚の寄生虫で怖いのはアニサキスですが、冷凍もしくは加熱で処理できます。
丁寧にチェックすれば目視で発見して除去することもできます。
もうひとつのニベリニアは食べても害はありません。
へんに怖がらず正しい知識で対応しましょう♪
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